物流業界ドライバーの安全教育の具体的取り組み方法

近年、物流業界では、ドライバーさん向けの教育が安全上の理由からもより、求められるようになってきました。

私はこれまで物流に限らず大企業のリーダー育成や、中堅企業のリーダー育成、それから工場従事者への教育を経て、現在は漫画やゲームなどを活用して、物流業界、これからは建設業界などの支援も考えています。

そんな中で、物流企業さんの教育のやり方が正直間違っていると感じることが多々あります。

大企業のリーダー育成の研修などをすると、皆さん本当に良く学習をしてくれます。正直申し上げると、彼らのように動機のある人には、書籍リストを渡すのが最も効率的な学習の方法だと感じます。

一方で、物流会社のトラックドライバーさんはそうはいきません。抱えている本当の問題は、本人だけでは今更変えにくい環境的な問題も含まれていると思います。

その問題は、

①自分が教えられたことがない。

②活字を読む経験が少ない。

③あるべき姿を伝えられても、ピンとこない。

最もややこしいのは、①の問題です。なぜなら、教育をしたいと人が思うのは、自分がされて良かったからだからです。その経験がなければ、当然、教えていくという動機はうまれません。つまり、動機のない人たちもいるのです。

では、こういう人に伝える方法はないのか?といいますとあります。この方法を当たり前にすることができれば、教育されたことのない人にも教育は可能です。

是非、次の視点を取り入れてみてください。

①教育の前に理解し、理解を伝える。

例えば、眠たい気持ち、お酒を飲みたい気持ち、もしかするとギャンブルをしたい気持ち.こういう気持ちを何故持つのかについて、考え、理解していることを伝えましょう。

②過去の失敗を、披露する。

会社によりますが、従業員の中には会社に怒られるから、バれないようにミスを隠そうとする場合があります。こんなときは、失敗しても怒っているのではなくて、反省をして次はしない対策を一緒に考えたい。という姿勢を見せる必要があります。

これをやりやすくするためには、特定の人の失敗事例を従業員に提供できることが大切です。初めての場合は、社長さんの失敗を赤裸々に提供するのが効果的です。

③失敗事例に笑いを添えましょう。

失敗を一度、全員で笑い合える風土を作りましょう。失敗した人と失敗してない人が同じ気持ちになるのは、普通は無理です。

しかし、失敗を笑い合えるというのは、失敗してない人が、自分も同じ失敗したことある!と自分の過去との共通点を探す行為です。 失敗を笑うことは同じ目線に立ち共感する方法論です。

多くの事故や失敗は、同じような心理状況や原因で生まれています。

このことに、同じ目線で取り組む一つの方法は、まずは一緒に笑い合うことです。

ここで大事なことは、失敗したときに周りの人がどうするかで、その次が変わってくるということです。

④笑ったあとは、原因を排除するためのルール化

笑った後は、一緒に対策を考える必要があります。

この工程は多くの企業さんが既にされていますから、割愛します。ルール変更などして、失敗が起きない仕組み構築に当たり前ですが、重点を置きます。

⑤お互いが日々、指摘し合う

これは、②、③のことができる人たちだからできることではないでしょうか? また、人的ミスというのは必ず起きます。ゼロを目標にしてもなかなか継続するのが難しいのです。

それを限りなくゼロに近づけるためには、客観性をどれだけ増やせるかにかかっています。客観性とは、例えば指差し確認です。目視ではなく、指差しをするのは、客観性を保つためです。これと同じようなことを、人間同士が行うことが必要です。

そうすれば、やってない時に比較してゼロに近づけるはずです。

そして、この取り組みには物流業界に欠かせない2次的なメリットがあります。

それは、新規採用者がとりやすくなることです。

なぜなら、これを実施できる会社は、雰囲気の良い会社だと思われるはずだからです。

私の知る限り、①から⑤までを全てできる会社はまだ、稀なようです。今だからこそ、競争優位性にもつながる貴重な取り組みといえるかもしれません。