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業務の属人化は成果に繋がる?中堅社員の仕事抱え込みが成果につながる理由と限界

  • 7月29日
  • 読了時間: 13分

「特定の社員しか分からない仕事がある」

「担当者が休むと業務が止まる」

「優秀な中堅社員ほど忙しくなっている」

このような問題を抱えている企業は少なくありません。


特に、中堅社員に仕事が集中することで発生する業務の属人化は、多くの企業が抱える課題です。中堅社員は、これまでの経験によって業務知識やノウハウを蓄積しています。そのため、難しい案件や重要な業務を任されることが増えます。

また、本人も、

「自分が対応した方が早い」

「説明する時間を考えると、自分でやった方が効率的」

「過去の経験がある自分が対応すべき」

と判断し、自然と仕事を抱え込むようになります。

しかし、この状態は必ずしも悪いことではありません。経験豊富な社員が中心となって仕事を進めることで、短期間で高い成果を出すことができます。問題は、その状態が長期間続くことや、組織の成長の段階が変わることでデメリットになってしまうことです。

短期的には成果を生み出す「個人依存型」の働き方も、長期的には組織の成長を妨げる要因になります。

企業が持続的に成長するためには、目の前の成果を出すことと、将来に向けた仕組みづくりを両立する必要があります。

本記事では、中堅社員が仕事を抱え込む理由、属人化が生まれる背景、そして業務を組織の財産に変えるための仕組みづくりについて解説します。尚この記事はビジネスゲーム開発、販売運営、漫画制作を行うグラスルーツ(株)高橋が担当しています。


中堅社員が仕事を抱え込むとは

中堅社員の仕事を抱え込むとは

仕事を抱え込むとは、本来であれば複数人で共有したり、分担したりできる業務を、一人の社員が継続的に担当している状態です。

具体的には、以下のような状況があります。

  • 顧客との過去の経緯を担当者しか把握していない

  • 業務手順が担当者の頭の中にしかない

  • トラブル対応の判断基準が共有されていない

  • 資料作成の方法が個人の経験に依存している

  • 必要な情報が個人のパソコンやメールに保存されている

この状態になると、仕事は「会社の資産」ではなく「個人の能力」に依存します。

もちろん、経験豊富な社員が高い能力を発揮すること自体は、企業にとって大きな価値があります。しかし、その知識や経験が本人だけに閉じてしまうと、組織として活用できません。

重要なのは、優秀な社員をなくすことではありません。

優秀な社員の知識や経験を、組織全体で活かせる状態にすることです。



なぜ中堅社員に仕事が集中するのか


中堅社員は、新人や若手社員と比べて多くの経験を持っています

例えば、

顧客対応のポイント

社内調整の進め方

過去トラブルへの対応方法

業務を効率化する工夫

など、長年の経験から得た知識があります。こうした知識は、単純なマニュアルでは表現できない部分もあります。そのため、会社としても重要な仕事を任せるようになります。

結果として、短期的な成果を生み出したいときには「この仕事なら〇〇さん」という状態が生まれます。


自分で対応した方が短期的には効率がよい

短期的には効率が良い

仕事を抱え込む社員の多くは、単純に「人に任せたくない」と考えているわけではありません。むしろ、効率を考えた結果として、自分で対応しています。


例えば、

後輩に仕事を説明する時間が1時間必要。

自分なら30分で終わる。

この場合、短期的には自分で対応した方が効率的です。

その判断自体は間違いではありません。企業活動では、スピードや品質が求められる場面があるためです。

問題は、その判断を繰り返すことで、長期的な仕組みづくりが後回しになることです。



短期投資と中長期投資を両立する必要がある

企業は短期投資、長期投資の両方が必要

企業経営では、短期的な成果と中長期的な成長の両方を考える必要があります。

業務の属人化は、短期投資に近いものです。経験豊富な社員に仕事を集中させることで、すぐに成果を出すことができます。

例えば、新しい顧客からの依頼や重要な案件では、経験者が対応することでスムーズに進みます。しかし、その状態だけを続けると問題が起こります。

  • その社員が忙しくなりすぎる。

  • 他の社員が経験を積めない。

  • 業務の改善が進まない。

  • 退職や異動によって知識が失われる。

つまり、短期的には成果を出していても、長期的には組織の成長につながらなくなる可能性があります。


一方で、以下のような取り組みは中長期投資です。

  • 業務マニュアルの整備

  • 情報共有の仕組みづくり

  • 業務手順の標準化

  • ナレッジの蓄積

  • 複数人が対応できる体制づくり

これらは、すぐに売上や成果として表れるものではありません。

合によっては、情報整理や引き継ぎのため、一時的に効率が下がることもあります。

しかし、将来的には組織全体の対応力を高め、安定した成果を生み出します。

企業に必要なのは、「今の成果を出すための属人的な対応」と「未来の成長につながる仕組み化」の両立です。



仕事ができる社員ほど属人化しやすい


業務の属人化は、能力が低い社員によって発生するわけではありません。

むしろ、仕事ができる社員ほど起こりやすい問題です。

なぜなら、優秀な社員ほど、


「自分ならすぐ判断できる」

「自分なら問題なく処理できる」

「説明するより自分でやった方が早い」


と考えられるからです。その結果、会社としては短期的な成果を得ることができます。

しかし、その社員への依存度が高まり、


「その人がいなければ仕事が進まない」

という状態になります。これは社員本人の問題ではありません。

会社として、その人の能力を仕組みに変える取り組みが不足している状態です。

優秀な社員の価値を最大化するためには、その人だけが成果を出せる状態ではなく、その人の知識や経験を組織全体で活用できる状態に変える必要があります。



業務の属人化によって起こる問題

属人かによっておこる問題

担当者が不在になると業務が止まる

属人化による最大のリスクは、担当者が対応できなくなった場合です。


例えば、

急な休職

長期休暇

異動

退職

などが発生した場合、業務が停滞します。

「担当者が戻るまで待つ」

「詳しい人を探す」

という状態では、顧客対応の遅れや社内業務の混乱につながります。

企業にとって重要なのは、誰か一人が優秀であることではありません。

その人が不在でも、一定の品質で仕事を継続できる仕組みを持つことです。

業務改善が進まない


属人化した業務では、改善の機会も失われます。担当者本人は、その業務について深く理解しています。しかし、長年同じ方法で進めていると、「これが当たり前」になり、改善点に気づきにくくなります。第三者が業務を見ることで、


「もっと簡単にできる方法がある」

「この作業は不要ではないか」

「別の社員でも対応できるのではないか」

という発見が生まれます。このように、業務を共有することは、リスク対策だけではなく、業務改善のきっかけにもなります。


新しい社員が仕事を覚えにくい


業務が属人化していると、新しい社員が仕事を覚えることも難しくなります。

なぜなら、仕事の進め方が明文化されていないからです。

「前任者から教わる」

「分からないことは担当者に聞く」

という方法では、教育する人によって内容が変わります。また、担当者が忙しい場合、新しい社員は質問することも難しくなります。

組織として成長するためには、経験や知識を次の社員へ引き継げる仕組みが必要です。



業務の属人化を防ぐ会社の仕組みづくり

属人かを防ぐ組織作り

業務の属人化を防ぐためには、社員個人の意識だけに頼るのではなく、会社全体で仕組みを整えることが重要です。


「もっと情報共有してください」

「仕事を周囲に伝えてください」

と社員へ求めるだけでは、継続的な改善にはつながりません。

なぜなら、情報共有や標準化は、通常業務に加えて発生する作業だからです。

忙しい状況では、どうしても目の前の仕事が優先され、後回しになります。そのため、会社として情報が自然に蓄積され、共有される仕組みを作る必要があります。


① 業務を見える化する


属人化を防ぐ最初のステップは、現在の業務状況を把握することです。

まず確認すべきことは、

誰がどの業務を担当しているか

どの業務が特定の社員に集中しているか

代わりに対応できる人がいるか

手順や判断基準が整理されているか

という点です。業務が見えていなければ、属人化していること自体に気づけません。

例えば、


「営業担当しか顧客との経緯を知らない」

「担当者しかシステム操作方法を理解していない」

「過去の対応履歴が個人メールに残っている」

といった状態は、本人や周囲が問題として認識していないこともあります。

まずは、どの仕事が個人に依存しているのかを把握することが重要です。


② 情報共有する場所とルールを決める


情報共有が進まない企業では、「共有する意識が足りない」と考えがちです。

しかし、実際には仕組みの問題であることが多くあります。例えば、


「必要な情報は共有してください」と言われても、

どこに保存するのか

どの情報を残すのか

誰が確認するのか

いつ更新するのか

が決まっていなければ、人によって対応が変わります。その結果、

「情報はあるが見つからない」

「どれが最新情報か分からない」

という状態になってしまいます。

情報共有を成功させるには、ルールを明確にする必要があります。


例えば、

顧客情報は決められたシステムに登録する

業務手順は共有フォルダで管理する

トラブル事例は一覧化する

判断基準を記録する

などです。

情報共有は個人の努力ではなく、会社の仕組みとして運用することが重要です。


③ 業務マニュアルを整備する


属人化を防ぐ代表的な方法が、業務マニュアルの整備です。

ただし、マニュアル作成で失敗する企業もあります。その理由は、完璧な資料を作ろうとして時間をかけすぎるからです。重要なのは、分厚いマニュアルを作ることではありません。

他の社員が最低限対応できる情報を残すことです。


例えば、

業務の目的

基本的な流れ

注意点

判断が必要なポイント

過去のトラブル事例

問い合わせ先

などを整理します。特に重要なのは、経験者しか知らない暗黙知を言語化することです。

「このケースでは先に確認する」

「この顧客の場合は注意が必要」

「この問題が起きた場合は、この順番で対応する」

といった経験に基づく知識を残すことで、業務の再現性が高まります。



④ 複数人で対応できる体制を作る


重要な業務ほど、「担当者一人だけ」という状態を避ける必要があります。


例えば、

主担当と副担当を決める

定期的に業務内容を共有する

一部の業務を複数人が経験する

定期的に担当を見直す

といった方法があります。ここで大切なのは、すべての社員を専門家にすることではありません。最低限、誰かが休んでも業務を継続できる状態を作ることです。

「担当者がいる」ことと、「担当者しかできない」ことは大きく違います。


⑤ 情報共有を評価する文化を作る


仕組みを作っても、社員が情報共有を重要だと感じなければ定着しません。

なぜなら、情報共有は短期的には負担になるからです。


資料を整理する。

手順を書く。

知識をまとめる。


これらは、その瞬間の仕事だけを見ると遠回りに感じます。しかし、それは未来の組織への投資です。会社として、

情報共有した行動を評価する

業務改善への取り組みを認める

知識を残すことを重要な仕事と位置づける

ことが必要です。


情報共有の文化を作る2つの方法


情報共有文化をつくるためには、評価などで認める、共有インフラの整備といったハード面と、共有文化を作るソフト面がとても重要です。ハード面だけでは、重要性が伝わりにくいため、ソフト面についても日々対策をする必要があります。基本的には、社内での朝礼、トラブル共有、報連相などの基本行動を徹底させることです。またそれに加えて以下のような「きっかけ作り」をすることで、振り返る機会となり、よりソフト面を強化することに繋がっていきまます。きっかけ作りの時に、重要なことは、「従業員が楽しいと思えること」です。いつもの業務とはことなる楽しいと思えることが、記憶に残り、記憶を振り返る、強いきっかけになるのです。


漫画を活用した情報共有

漫画を活用した情報共有

一つ目は漫画を活用した、「情報共有」の在り方です。情


報共有内容は、企業ごとに様々なテーマが考えられます。「トラブル事例」「法令違反事例」「成功事例」「失敗事例」など様々です。ポイントになるのは、これらの実際の事例を」漫画で伝えることで、「楽しく伝わる」ことです。



ビジネスゲームを活用した情報共有

ビジネスゲームを活用して情報共有の大切さを知る

二つ目は、ビジネスゲームを活用して情報共有の大切さを知る機会を作ることです。ビジネスゲームの教育上の効果は、単に楽しいだけではなく、「自分ごと」にできる点です。ビジネスゲームは全て自分が主人公になることができます。


情報共有の大切さを理解できるビジネスゲームは以下



短期成果と中長期成長を両立できる組織へ


企業にとって、成果を出すことは当然重要です。

そのため、経験豊富な社員が中心となって仕事を進める場面も必要です。

短期的には、属人化によって高い成果が生まれることもあります。

しかし、長期的な成長を考えるなら、それだけでは不十分です。重要なのは、


「今成果を出す仕組み」と、「将来も成果を出し続ける仕組み」

の両方を持つことです。

優秀な社員の力を活用しながら、その知識や経験を組織全体の財産へ変えていく。

この両立こそが、持続的に成長できる企業づくりにつながります。


属人化しない組織は、変化に強い


現在のビジネス環境では、社員の異動や退職、組織変更などは珍しくありません。


そのたびに、

「担当者がいないから対応できない」

という状態になれば、会社として大きな負担になります。また、お客様にとっても負担が大きくなり、ときには契約が解除、なくなってしまうことさえあります。

一方で、情報が共有され、業務が整理されている組織は、変化に柔軟に対応できます。

新しい社員も早く仕事を理解できます。

担当変更があってもスムーズに引き継げます。

問題が起きても、過去の経験を活かして対応できます。

つまり、属人化対策は単なる業務効率化ではありません。

会社が継続的に成長するための基盤づくりなのです。



まとめ


中堅社員が仕事を抱え込む問題は、個人の性格や意識だけが原因ではありません。

経験豊富な社員に仕事が集中する仕組み。

情報共有が十分にできない環境。

業務を標準化する仕組みの不足。

こうした組織側の要因によって、業務の属人化は発生します。

属人化は、短期的には高い成果を生み出す場合があります。経験豊富な社員が対応することで、スピードや品質を高められるからです。

しかし、長期的に見ると、特定の社員への依存は組織のリスクになります。

重要なのは、属人化をすべて否定することではありません。

短期的な成果を生み出す個人の力を活かしながら、その経験や知識を組織全体の財産へ変えていくことです。

そのためには、

業務の見える化

情報共有の仕組みづくり

マニュアル整備

ナレッジ共有

複数人で対応できる体制づくり

など、会社全体で仕組みを整える必要があります。

中堅社員が持つ経験や能力は、企業にとって大きな財産です。

その財産を一人の中に閉じ込めるのではなく、組織全体で活用できる仕組みに変えること。

それこそが、仕事の抱え込みを防ぎ、持続的に成果を出せる組織づくりにつながります。


いかがでしたか。本内容にご興味のある担当者様や、漫画やビジネスゲームにご興味がありましたらグラスルーツ(株)高橋までお問合せください。



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